こんそめじゃーなる・改

うたつくりびと・高坂夏海のブログです。

短期集中連載: 唐突にシャゼイ先生(JC Chasez氏)の話をしたくなったので書いてみた Episode 4

ごきげんよう。高坂です。懲りずに短期集中連載、Episode4。

過去の更新はこちら

Episode 0→導入にもなっていなさそうなあれこれ

Episode 1→インシンクって?という話で力尽きたっぽい本当の導入

Episode 2→そもそもシャゼイ先生って?という話と2002~3年くらいのお話

Episode 3→2004年のお話とアルバム発売前の大事件

 

本日は2月24日。2.24で皆様が連想なさるのが何かは様々と思いますが、当ブログでは
「Schizophrenic」発売12周年!!
を勝手に記念したいと思います!(うーん…中途半端なのは承知の上ですすみませんm(_ _)m)
高坂が日本国内盤もUS盤も両方持っているくらい好きなアルバム2作品のうちのひとつ(もうひとつはBSBの「Never Gone」)。高坂の作る音楽とはだいぶ離れたところにある音ばかりということもあり、先日公開した「私を形成する9枚」に入りません。でも、それらとは別に特別な存在のアルバム、それが私にとってのスキッツォです。
 
私が日本に帰ってきたのは2004年1月なので、アルバムが出る直前。ニュージーランドでは待ってれば入ってくるとわかっていたのですが、日本でインシンクはあまりかからないしどうなんだろう…ないのかなあ…と何故か勝手に思い込み(失礼しました)、実に1年半近くも遅れて、たまたま帰った際にニュージーランドで入手しました。(その後、帰りの飛行機で国内盤があることを偶然知り、半ばライナーノーツ欲しさにタワレコに駆け込んだのを覚えています。)
 
というわけで、本日は予告通りスキッツォの全曲紹介…というかただの個人的な感想です。高坂の音楽知識は決して深くはないので直感で書いています。そして何せ17曲分!なので今回はいつもより長いです。どうか諸々ご容赦くださいm(_ _)m
 
M1 「Some Girls (Dance With Woman)」
スキッツォからのリードシングルとなった楽曲。当時はタイトルからまず「???」という感じだったのですが、後からインタビューを見て納得。(歌詞の内容をざっくり言うと、クラブで女の子同士で踊ってる女の子をからかって、そんな子達とお近づきになりたいんだ、って誘っている…感じかな?)
しかし着眼点って大事ですね…(◎_◎)
最初は正直何が面白いのかよくわからない楽曲だったのですが、気がついたら脳内で繰り返し再生されている…!Some Girls Dance With Woman〜なんて知らずに口ずさんでしまっているくらいにはなっているのでインパクトって凄いなと思います。
 
M2 「She Got Me」
冒頭のアコースティックギターの音と、ファルセットを多用したコーラスから入るのがとてもお洒落。アルバムの中の1曲にしておくには勿体無い良曲だと勝手に思っています(それを言うなら収録曲皆そうですが)。私は車を自分で運転しないのであまり感覚はわかりませんが、ドライブとかにかかっていると楽しい曲かもしれません。歌詞はちょっと不思議な感じがしますが、そのくらいがラブソングにはいいのかもしれません。
 
M3「100Ways」
語るのが難しい曲その1。Eギターがカッコいいなあ、が第一印象だったのですが、後から歌詞を見てドン引きしてしまい、その後暫く聴かなかった楽曲のひとつでした。(シャゼイ先生ごめんなさい(>_<))
プリンスっぽいと方々で言われる曲ですが、この曲を聴いた後にプリンスのベストアルバムを引っ張り出して聴いてみてもそこまでリンク点がわからず・・・もっと研究してみたいです。
 
(お気づきかもしれませんが、高坂はこの年にもなって下ネタ系が非常に苦手です。プラスお色気系の楽曲も非常に好き嫌いがありました。今は昔程の抵抗はありませんが、まだ苦手意識はあります。…こんなのでよくFateシリーズやら諸々のエロゲをやり切ったなと今でも驚きです。)
 
M4「Mercy」 
歌詞が情熱的を通り越して…何というかちょっと怖いw この歌の主人公(シャゼイ先生ご自身かもしれないけど)は女性に何を求めているんだろう、と時折首を傾げてしまいます。 楽曲通して聴こえる電子音とアコースティックギターの混ざり具合が絶妙で、サウンド的にはとても好きな曲です。メロでコーラスだけになる(「wow wow wow...」の)ところの声が好きです…うーん細かすぎることしか書けなくて何とも。(すみません気持ち悪いやつで)
 
M5「Build My World」
スキッツォの薄暗さナンバーワン、と個人的に思っている曲(私としては褒め言葉です)。「Dear Goodbye」もそうですが、バラード系で使われる声の幅広さよ・・・。2番の「Trying to keep〜」で急に力入るところがいい。「Someone for Everyone but No one for me(皆それぞれに誰かいてくれるけれど、僕には誰もいない)」という歌詞にも何だか切なくなります。というか全体的に暗い。なのでついスキップするのが勿体無くなって最後まで聞き届けよう、と思ってしまう、高坂的には「ほっとけない曲」。スキッツォの中では2番目に好きな曲です(Dear Goodbyeととてもとても僅差ですが)。
 
M6「Something Special」
他の曲に比べるとシンプルな音作りなのかもしれませんが、シャゼイ先生の魅力がぎゅっと詰まった1曲だと個人的に思います。艶っぽいようで爽やかなボーカル、思わず刻みたくなるリズム、曲が進むにつれて重なっていく声や音。間奏の口笛がいい♪ (歌詞はまあ、アレですが…まあいいかと思えるレベルだと思います)いつか布教枠でJCシャゼイナイトが実現出来るなら(可能性は薄いけど)、この曲をオープニングBGMにしたいです。
 
M7「If You Were My Girl」
直訳するとやっぱりドン引きされてしまいそうな歌詞の内容は、とりあえず置いておいて(ごめんなさい)、スキッツォ屈指のカッコよさを誇るボーカルだと勝手に思っています。低音からシャウトまで、この人はどうしてこんな自在にご自身の声を操れるんだろう…と聴くたびに尊敬します(大袈裟)。言ってる内容がもう少しまともだったら(男子には大事なことなんだろうけど)、高坂の中でもっと株の上がる曲でした^_^;
 
M8 「Shake it」
Basement Jaxxからの提供曲。アルバムの中で唯一制作にあまり関わっていないらしい曲なのですが、他の収録曲とも全然違和感がないのはやはりボーカルの世界形成力なのかも。(歌詞が他の曲に近いっていうのも理由かな。やっぱり内容は人によってはアウトでしょうが^_^;)Basement JaxxのCDはシャゼイ先生がfeat.で参加されている「Plug it in」欲しさにベストアルバムを持っているくらいなのですが、印象としてはとにかく不思議な音が多い!w
ダンスをやっている癖にこの手の曲をあまり聴かなかった私には当初軽い衝撃でした^_^;
 
M9「All Day Long I Dream About Sex」
タイトルからしてビックリ。というか、こんなあからさまなタイトルがついてる曲があるのによく「Parental Advisory」マークがつかなかったなあ。(まず最初に考えることがそれかい)
海外のポップソングにしては長めの6分超え。ロックっぽいかと思えばゴリゴリに電子成分が入っていたりとなかなか壮大な曲。聴く人によっては懐かしい感じがするのかなあ。PV見れる動画サイトとかでファンのコメントとかを見ていると「JCどうしちゃったの(O_O)」とか、「この頃のJCはどうかしてたのかね、普段は真面目なのに」とか、某掲示板で「クソ真面目など変態」とか書かれちゃっているので若干気の毒ではある^_^; でも他の人に薦めづらい曲なのは確かだよ女子的にはねwww
PV貼っとくけれど、高坂みたいにエロ系が苦手な人は閲覧注意。
 
M10 「One Night Stand」
いきなりダイアログで始まるのでこれまたビックリ(しかもなかなかに際どいw)。語るのが難しい曲その2。構成自体はシンプルですが、途中に入るダイアログとかDonna Summerの曲っぽいサンプリング?とか、遊びが多い曲だと思います。
・・・ただこれは歌詞のアウトな部分を抜いても好き嫌い分かれそう。
 
M11「Come To Me」
国内盤のライナーノーツを見るまで、この曲のカラクリには全く気が付きませんでした。(高坂の音楽知識が乏しすぎて、サンプリングされた「Sunglasses At Night」どころかCorey Hartすら全く知らなかったというのが一番の理由。気になって後日SANを入手して聴いてみたら、最初の方で思わず吹きました。そういうことか!とw)最初は「単調だな」と思って殆ど聴かなかった曲だったのですが、いろいろ知った上で改めてこの曲を聴くと楽しいはず。(そして私はまだ知らないことが沢山あると思うので、ちゃんとわかり切るまで勉強したいところ。)そしてこれも、音はいいけど人によっては歌詞がアウトな曲ね…こんなんばっかだなスキッツォ(ー ー;)
 
M12「Dear Goodbye」
これは本当に名曲だと思います。高坂的にはスキッツォの中で3番目(2番目のBuild My Worldと非常に僅差ですが)に好きな曲なのですが、私の思う楽曲の完成度とかライブ動画を見たあとの印象だとか、を考えていちばん他の方にお勧めしたい楽曲はこれです。アコースティックな楽器が主体なのは、スキッツォでも珍しい方なのかと思いますが、散々ハラハラした楽曲たちの後にこれがかかると安心します。歌詞は暗いけど。Build My Worldと並んでほっとけない曲です。
これはライブ動画があるのでこっそり貼っておきます。シャゼイ先生はCDよりもライブで聴く方が絶対にいい、とこれで確信しました。(生で歌聴いたことないですけど。人生で1度は聴きたい。切実に聴きたい。)原曲にはない中盤のブレイクが凄く好きです。
 
M13「Everything You Want」
エレクトロっぽい?サウンドなのにボーカルは80年代ロックみたい。ライナーノーツにはThe Police、声までスティング調と書かれているけど「言われてみれば」という感じしかしないのが歯痒い。(スティングと言われるとここ20年くらい?ソロでの彼の方が先に浮かぶので、多分もっと聴きこまないと高坂の中でリンクしないのかも)何とも形容しがたい曲ですが、とてもとても好き。歌詞もスキッツォの他の曲に比べて攻撃的で、それも逆にグッときます。あとちょっと考えさせられる。シャゼイ先生の人生観というか人生哲学というか、が出ている楽曲なのかなとふと。自分に似合うかは別として、こういう曲ちょっと歌ってみたいな、と若干的はずれなこともよく考えてしまいます。スキッツォの中で高坂がいちばん好きな曲です。
 
M14「Lose Myself」
スキッツォ屈指の優しい楽曲。いろいろクレイジーな楽曲が続いた後にこういうのが来ると安心しますね^_^; あれ、これはDear Goodbyeでも言ったかも。
歌詞自体はちょっと寂しい感じもしますが。
歌い上げないのに芯を感じるボーカルがラブソングにピッタリでとても癒されます。
 
M15 「Right Here(By Your Side)」
2分台の短い曲で編成もシンプルなのですが、これもまたいろいろな音が入っている楽曲。終始聴こえるパーカッション類(ベル?)が清涼感をくれます。そして個人的な疑問は、「コーラス何トラックあるんだろう・・・」。一切バラけている感じがしないので多分想像よりも多いのだろうと考えると、、、何だか凄い(ー ー;) 流石シャゼイワンマン合唱団…
(国内盤ライナーノーツでシャゼイ先生のコーラスアレンジを「ワンマン合唱団」と書かれていたのがスキマ産業総務部としては非常にツボでしたw)
 
M16「Blowin Me Up (With Her Love)」
映画「ドラムライン」のサントラに入っている楽曲なだけに、まず印象的なのがバックのドラム。なのにがつがつした感じがなく、すっと聴けるのはシャゼイ先生のボーカルやコーラスのスムーズさかなと思います。シャゼイ先生の音域を検証した音源があるのですが、最低部の数曲のうちひとつと最高音でこの曲が使われているのに気がつき少しばかり鳥肌。(この辺りの話は別の記事でじっくりと書きます)
余談ですが、Episode3を書いてから改めてこの曲を聴いてみたのです。しかし歌詞やら全体的な雰囲気からしても、Blowin'〜に変えてしまったらしまったで、いろいろなものが明らかにアウトだと思ったのですがこれいかに…
 
M17 「Right There」
日本盤ボーナストラックに収録されています。(US盤だと、MV盤のSome Girls(ラップ入りのやつ)が入っています)
国内盤買った当初はあまりピンとこなくて、US盤があるからいいかー、とライナーノーツだけ抜いて長らく棚の奥にしまっておりました。
なのでまだ私には若干新鮮な曲です^_^;
電子音多めながらもシンプル。他の曲に比べると盛り上がりは少ないかもしれませんが、これまでの16曲のいろいろなエッセンスが入っている気がしてこれはこれで聴きやすいです。聴けば聴くほど味が出る、みたいな曲。なんでUS盤に入らなかったんだろう…。
 
というわけで、全17曲の感想でした。2007年くらいのメモにちょっとずつ毎日書き足して行っただけなのに、纏めるとこんなに長くなるのはこれいかに・・・。(2007年のメモは見事なまでにボーカルの感想しか書いていなかったので、音関連のお話を今回付け足しました。)
 
この記事を纏めるにあたってメタクリティークとか色々なところのレビューも国内外問わず読んでみましたが、やはり賛否両論ですね。
争点としていちばん多かったのはやはり、
「Diversity/Versatility」(多様性・多芸性)
でしょうか。
アルバムとしての纏まりが少ない、いろいろな事をやり過ぎて飛びすぎている、という人もいれば、いろいろなJCが聴けて面白い、何でも作れて何でも歌えるその才能が凄い、と取る人もいる。
 
両方理解出来はしますが、高坂は圧倒的に後者です。(自分が全て受け入れられるかは別として)
これだけいろいろなことが出来る人だからずっと、私の中で「とにかく凄い人」だったのですから。
10年以上前のことですが、偶然このアルバムの評価で見たVersatile(Versatility)という言葉が、その後私の中で鮮烈に残り、コアがしっかりしていれば、何をやっても自分のものに出来るんだな、私もそうなりたいな・・・と改めてシャゼイ先生に憧れました。(見ているところは違いますが、私の「V6坂本さんへの憧れ方」もこれに近いものがあるかもしれません)
あとはもうちょっと人に薦めやすい?歌詞が多かったらなあ…(ー ー;)
女性の大半は引いてしまいそうな感じがするので。(逆に男性の感想を聞きたい。絶賛してくれたらそれはそれで私も嬉しいかもしれないし。)

話は逸れますが、結構多くの人が(評論家含む)ジャスティンのデビューアルバムと比較してレビューを書いているのは、個人的にどうもいただけないです。「Justified」も持ってます。いいアルバムだと思います。でもそこはそれ、だと思います><
いや仕方ないけど。何がどうしたって、結局そうなるだろうけど。
 
発売から12年経っていますが、何も色褪せていないアルバムだと思います、スキッツォ。
スキッツォフレニック

スキッツォフレニック

 

 今だからこそ再度注目されたりしないかな、なんてこともつい思ってしまうくらいには色々な音が満載です。聴くたびに「もっと音楽の知識が欲しい!」と未だに思ってしまうくらいには。出来れば80年代、90年代のUS音楽に詳しい人に通して聴いて貰って、いろいろ教えて頂きたいくらいです。

12年経った今ではレンタルも販売も絶対数は少ないのですが、曲単体ずつはitunesでも買えますので気になった方は是非。
(一部結構際どい歌詞もあるのでそこだけご注意・・・全体でいってもR15でいいと思います本当にw)
 
いつもより長く書きなぐってしまって申し訳ないですが、今日はここまで。いつもこんな長文にお付き合いくださる皆様、ありがとうございます。