こんそめじゃーなる・改

うたつくりびと・高坂夏海のブログです。

舞台「EXTRAEXTRA- エクストラエキストラ -」を観ました。

ごきげんよう。高坂です。

観た作品の感想はその都度ちゃんと文章に残しておきたい、と常々思ってはおりますが、書き溜めいたらいつの間にか時を逸してしまうものが多いのも現実…。でも今日は書くぞ。前の記事で、観に行ったことは載せてしまったことだし。

というわけで、10月6日に久しぶりにシアターブラッツに行ってきました。

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凄く前にお笑い観に行ったことがあるくらいなのですが、何となく雰囲気が好きなハコだったのです。そして幸運にも、ネットを検索していて「気になるな」という公演があったので、10月入ってからというギリギリで思い立ってチケット取ってみました。
その作品がこちら。10/5〜9までやってらしたようです。

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舞台はどうしても「人」(役者・演出家・裏方等)で選んでしまうので、ここまで知らない人が多い作品に足を運んだのもかなり久しぶり。でも端的に言えば行って良かった。冒険はしてみるものだなあ。

 

あらすじとかはこちらからどうぞ。
http://www.tatica.net/stage
演出家さんや主演の方のコメントとかもあったのでこっそり貼っておく。
http://enterstage.jp/sp/news/2016/10/005777.html

 

以下は観た後の雑感など。諸々個人の主観のみで書いておりますことご了承ください。

<ストーリーについて思う>
主役になりたいけどなれない。それよりももっと大事なものがあるのに手にできない。思惑ひとつで誰も救われなくなる。
エキストラを続ける売れない役者たち(芸人含む)が繰り広げる悲喜こもごもは、役者さんでなくても、もっと言えば表現者さんじゃなくても共感出来るところが多々あったと思います。もちろん、軸がコメディなので思いっきり笑うところは笑いましたけど。話のテンポとかはよくわかりませんが、わかりやすいお話だったかなと思います。ちょっと芸人交換日記を思い出しました。

 

<セットについて思う>
いろいろな人が書いてらっしゃると思いますが、セットチェンジが非常に自然かつエンターテイメント性に満ちていて、これだけでもひとつのパフォーマンスとして楽しめました。小劇場ならでは、なのかな。同じような板が複数あるだけなのに、組換えだけで「今はこの場所なんだ」というのが凄く良くわかる。途中からもう、セットが転換するたびに感嘆の声しか出ませんでした。今年の頭に観た「JAM TOWN」というミュージカルを思い出しました。あれも前説とか場面転換とかがパフォーマンスの一部になっていって、一時たりとも目が離せなかったので。今作でも、セットのみならず、全体的に演出の凄さを感じました。最初の映像の使い方も素晴らしかったし(文字がちょっと読みにくかったのが残念だったけど)、テロップっぽく作ってある文章たちも楽しかったです。これが見られただけでも、来て良かったなと思いました。

 

<音楽について思う>
まさか演出家さんと音楽担当さんのお話が生で聴けるとは思っていなかったので感動でした。(アフタートークがあることを知らずにチケット取っていたので(こらこら))音楽を担当されたPAKshinさんはカルメラというジャズインストバンドのキーボードさんだそうで。(そういえばジャズピアノの音が多かった記憶が。でもジャズに限らず激しめ?の曲やボサノバ調の曲など、いろいろな音が散りばめられていました。)「演出家さんの曲調オーダー」+「役者さんが想像して勝手に歌っていた」をその場で纏め上げて場面転換の曲になった、というお話には鳥肌が。活きた雰囲気に音をつけてこそなのかもしれない。作曲見習いとしては非常に勉強になりました。

 

<役者さんについて思う>
冒頭でも書きましたが、私はわりと「人」で観る作品を選んでしまう傾向があったので、殆ど知らない役者さんの舞台に行くことはなかなかの冒険でした(今回は舞台でのお芝居に限ればキャストさん全員初)。でも、今回は素直に「冒険してよかった!」と思えました。中でも赤星まきさんと森下ひさえさん。このお二人が特に素敵でした。馬鹿馬鹿しい場面も多々あったのですが、ある種の振り切れ方がカッコよくて、一挙一動に見惚れそうになりました。お二人の役どころは互いに相対するポジションだった(雇い主とタレント、かつてのライバル)というのもあるのかな。静かなる女の戦いに息を呑むところもありました。


そして、役者さんの中で唯一名前は知っていた松本寛也さん(マジレンジャーのイエローさんとか、ゴーバスターズのビートさんとか。たまたま来年明けの為にゴーバスターズのDVDを見直していたところでふと、彼のお名前で某所を検索していたらこの公演を見つけました)。どういう分類に入れたらいいかわからない不思議な役を演じられていました。良くも悪くも天然で純粋で不器用で、オーディエンスでさえもどうしてか「ほっとけない」という気になってしまいそうで。結局邪念とは何だったのか。(フライヤー詐欺とか書いてる方を見かけたけど、ほんとそれw 気になった方は松本さんご本人のブログに貼ってあったので、お名前とかで検索してこっそり飛んでみてください。*役者さんそれぞれおひとりずつのフライヤーがあるなんて凄いなあ。某チームでもやろうかな…(謎))


話を戻して。1人だけ何だか別世界を持ってらした松本さん演じる井口くん。コメディを作るのは気迫かもしれない。気迫を感じるから泣きそうになるのかもしれない。いろいろ考えながら見られるお芝居でした。(…とか言って私あんまりお芝居のことわからないけど。)また舞台での松本さんを拝見してみたいです。

 

<どうでもいいこと>
高坂の知り合いの芸人さんに、井口さんという方がいらっしゃいまして。しかも最近組んでたコンビが解散になって今はピンで活躍中…そしてコンビ時代の芸風はコント…なかなかにどんぴしゃり過ぎて、観劇中ふと彼のことを思い出してしまいました。(人物像はあんまり重ならないけど)

 

いろいろ書いてまいりましたが、またいい作品に巡り会えた気がします。またここの役者さんや演出家さんの作品に巡り会いたい。もうちょっと舞台のお芝居にもアンテナをはってみようかと思いました。
ブログにここまで詳細に感想書くのも久しぶりかもしれない(そして何か変な感じだけど)。縁音共同ブログも交代で毎日順調に更新出来ておりますので、本家こちらの方も更新頑張ります。

 

毎日更新してた時代にやってた、本日の1曲も再開しようかな。
本日の1曲「夏の庭」(石川智晶
「エクストラエキストラ」を観た帰り道、何故かどうしても聴きたくなった曲。冒頭の4行が特に、私の中で何か重なる感覚があったのです。(もともとは神様ドォルズの挿入歌なので、背景は全然違いますが。)埋めてしまえれば楽だったのかもしれないけど、出来なかったのかな、とふと。
この曲に限らず石川智晶さんの曲は歌詞が素晴らしいので、よかったら検索してみてくださいませ。

 

さてさて明日は試聴会です。(舞台ではなく映画がテーマですが。)ひとつ前の記事でちょっと詳しく書いてますので、行ってみようかな…と思われた方はぜひそちらもご覧ください。私も全力でまいります。